今日は会社員が給料から天引きされている健康保険料についてみてみましょう。
健康保険料の額は主に①入社時 ②年1回 ③給料が変更になった時 に決まります。
(他にも出産や育児、任意継続の際にも変わりますが今回は省略します)
それぞれ①資格取得時決定 ②定時決定 ③随時改定 といいます。
①「保険者等は、被保険者の資格を取得した者があるときは、次に掲げる額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。」健康保険法 第四十二条1項
②「保険者等は、被保険者が毎年七月一日現に使用される事業所において同日前三月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が十七日(厚生労働省令で定める者にあっては、十一日。第四十三条第一項、第四十三条の二第一項及び第四十三条の三第一項において同じ。)未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。」健康保険法 第四十一条1項
③「保険者等は、被保険者が現に使用される事業所において継続した三月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、十七日以上でなければならない。)に受けた報酬の総額を三で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて、著しく高低を生じた場合において、必要があると認めるときは、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準報酬月額を改定することができる。」健康保険法 第四十三条1項
条文だけみると何がなんやらさっぱりだと思いますが
実務をやってても何がなんやらさっぱりだったりします(笑)
詳しくはお近くの社労士まで(宣伝)
今回はコラムなのでポイントだけ簡単に話をしておきます。
①資格取得時決定は入社して社会保険に加入する際に決まる額です。
ここで決まった額は給料が変わるか年1回の改定まで変わらないので
額は慎重に決めたほうが良いと思います。
というのも残業などの額も保険料を左右するため多く見積もってたら
実際は給料が少なくて負担が大きくなったということもあるからです。
②定時決定は実務では算定基礎届と呼ばれ年に1回3ヶ月分(4~6月に支払われた給料)
の給料を元に9月以降の保険料を決めます。
余談ですが給料の支払いは翌月払いのところが多いと思いますので
この4~6月に支払われた給料というのは大抵の場合3~5月分の給料を指します。
③随時改定は実務では月額変更届(月変)と呼ばれ、
いわゆる固定給が大きく変わった時(正確には固定的賃金の変動
又は賃金体系の変更といいます)に変更になります。
これには残業代は入りませんが基本給や通勤手当、住宅手当などが
変更になった月以降の3ヶ月間の給料の平均が
標準報酬月額等級で2等級以上上下すると届けをださないといけません。
標準報酬月額等級はややこしいので今回は省略します(省略してばっかりやん)
まあそんなわけで全部をちゃんと説明すると結構なボリュームになりますし
実務でも結構煩雑な手続きですが、これらの変更をちゃんと手続きしてるかどうか
たまにお上からチェックが入るのできちんと行うようにしましょう。
※記事の内容は執筆時点での法令に基づいているため、法改正等により変更となる場合があります。
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