選択式試験の本質(社会保険労務士試験)

⑩社会保険労務士試験

 

 

社会保険労務士試験にはいくつかの特徴がありますが、

今回は幾多の社労士試験受験生を闇に葬ってきた

選択式試験(以下選択式)の本質について探ってみましょう。

 

選択式の本質は

趣味で受験する司法試験予備試験ブログの飛翔さんの言を借りると

 

 

①択一の総得点が1次試験

②選択の労一以外が2次試験

③選択労一が3次試験

 

 

ということになります。

(ちなみに飛翔さんは選択38点 択一64点

救済なし合格という、化け物側の人です(笑))

 

ある程度受験している受験生の意識は 選択式<択一式

という意識になると思います。

なぜなら選択式の問題は条文そのまま聞かれたりすることが多く

科目によっては満点をとれたりするからです。

 

 

 

 

ここに選択式の罠が潜んでいます。

 

 

 

 

選択式は各科目5問ずつ、計40点満点で構成される試験です。

合格基準点は年によって変動しますが

社労士試験の大きな特徴は全科目に存在する基準点という名の足切りです。

 

選択式の場合この基準点は通常3点に設定されていますが

受験者の得点状況によりこの基準点は1点や2点に引き下げられることがあります。

 

選択式の問題構成は基本的な問題と超難問で構成されています。

基本的な問題では条文そのまま出てくることが多いです。

そして超難問ではどの受験生も解けないような問題が平気ででてきます。

 

 

実はこの問題数の少なさ+基準点と基本的な問題+超難問の構成とが

選択式を難しくしているのです。

 

 

まず選択式の基準点は3点ということで

2問まではとりこぼしても大丈夫です。

逆に言えば2問しか落とせないということになります。

 

例えば問題構成が、「易易易難難」となった場合

この易問は死んでも落とせません。

たとえ労働基準法1条がそのまま出たとしても

「あれ?人たるに値するだったかな?最低限だったかな?」

とかなった時点でアウトです。

この怖さというのは受験を重ねるごとに増していきます。

 

ちなみに私は令和3年度試験の選択式

国民年金法を開いた瞬間頭が真っ白になりました。

(後ろから解く人だったので国年から解いてました)

問題自体は条文をそのまま聞かれてるだけであり、

受験生なら必ず目にしてる条文ですが

見事にエアポケットの条文だったわけです。

まあそれでも気を取り直して踏ん張った結果

ここで偉そうなことを書いてるわけですが(笑)

 

そして受験生の最難関

労務管理その他労働に関する一般常識(労一)

社会保険に関する一般常識(社一)

です。

 

これは年によっては問題構成が「難難難難難」という構成で来ます。

受からせる気ないだろう(笑)の問題構成です。

この問題構成が社労士試験が運ゲーと呼ばれる所以です。

 

令和3年度の労一の試験ではこの構成により

実に全受験生の8割が2点以下、平均点1.5点という状況となり

基準点が8年ぶりに1点まで下がるという事態になりました。

 

私の場合はたまたま実務で2つ知ってたのでラッキーでした(セーフ)

 

 

こうした特徴が最初にあげた

①択一の総得点が1次試験

②選択の労一以外が2次試験

③選択労一が3次試験

といった話に繋がっていきます。

 

だからといって選択式の勉強ばかりしろという話ではありません。

あくまでも択一式の知識がベースです。

そのうえで選択式の罠にはまっている人がいれば

意識を少し変えてみるきっかけにしてもらえれば幸いです。